WEBマーケティング 公開日: 2020.05.28 更新日: 2024.04.01

CVR(コンバージョン率)とは?計算式と確認方法をわかりやすく解説

cvr

Webサイトの運営に携わりWebマーケティングを行っている方であれば、CVR(コンバージョン率)という言葉を耳にしたことがあると思います。簡単に説明すると、Webサイトに訪問された回数に対して、どの程度の成果が得られたのかを割合で表したものがCVRです。

一方で、CVRの意味は知っていても、どのように計算をしたらいいのかわからない、分母をどの指標にするのが正しいのか分からない、CVRの指標を使ってどう売上の向上につなげたらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか?

今回は、CVRの計算式や、CVRが低い場合の対処法など詳しく解説していきます。

CVR(コンバージョン率)とは?

コンバージョン率とは、ユーザーがWebサイトに訪問した数に対して、どの程度の成果が得られたのかを割合で表したものです。

英語で「Conversion Rate(コンバージョンレート)」の表記になるため、CVR、CV率と呼ばれることもあります。

まず、コンバージョンとは何を指すのでしょうか。

コンバージョンは、Webサイトでユーザーに取ってほしい行動を取ってもらい、成果につながることを意味します。例えば、

資料請求をしてもらった
予約をしてもらった
電話をかけてもらった
商品を購入してもらった

などがコンバージョンにあたります。

コンバージョンは業種によって目的が異なるため、まずは自分の業種がどの行動をコンバージョンとするのか把握する必要があります。

コンバージョンが企業やサイトの成果と直結しているため、コンバージョン率はWebページからの集客が成功しているのかどうかを判断するために重要な指標となります。

コンバージョン率が高ければ、多くのユーザーが成果を出してくれるページになっていると判断できるでしょう。逆に低ければ、そのサイトやページに改善の余地があるのかもしれません。

このように、コンバージョン率は、どのページが成果に貢献できているのか、改善をしていくべきページはどこなのかを調べるために重要な手がかりとなります。

CVR(コンバージョン率)の計算式

コンバージョン率はページ単位で計測が可能です。

そのため、コンバージョン率をどのようにして割り出すのかを知っておくことで、ページごとの解析にも役立ちます。

CVR(コンバージョン率)の求め方

コンバージョン率は下記の計算式を用いて求めることができます。

「コンバージョン数÷セッション数×100=コンバージョン率(%)」

コンバージョン数は、そのサイトやページでユーザーが実際にコンバージョンをした数です。

例えば、コンバージョンが資料請求だとした場合、「10人が資料請求をしてくれた」のであればコンバージョン数は「10」となります。

セッション数は、ユーザーがそのサイトやページに訪れた回数です。

計測をしたい期間、対象となるサイト・ページが1,000回閲覧されたのであれば、セッション数は「1,000」となります。

CVR(コンバージョン率)の計算例

上記の計算式を使って、実際にコンバージョン率を計算してみましょう。

「コンバージョンが資料請求であるサイト」を例として、AとBのページのコンバージョン率を計算してみます。

例1 Aページの場合

セッション数:1,000

コンバージョン数:10(実際に資料請求をされた数)

コンバージョン数 10÷セッション数 1,000×100=コンバージョン率1.0%

例2 Bページの場合

セッション数:3,500

コンバージョン数:25(実際に資料請求をされた数)

コンバージョン数25÷セッション数3,500×100=コンバージョン率0.7%

AとBのページを見比べた時、実際に資料請求をされた数が多いのはBページです。

Bページの方が良いのではないかと思いがちですが、コンバージョン率を確認してみましょう。

Bページのコンバージョン率は0.7%。

Aページの1.0%より低く、実は効率が悪いことがわかります。この場合、集客の観点でいうと、BページよりもAページのセッション数を増やしたほうが、効率よく成果が得られることになります。

一方、UX改善の観点では、AページよりもBページを改善してコンバージョン率を上げる方が大きな成果を得られることになります。

コンバージョン数だけでなくコンバージョン率を割り出すことで、今後の施策やページの改善点が見つけやすくなります。

CVR(コンバージョン率)の確認方法

コンバージョン率を確認するためには、Webサイトのアクセスデータを見なければいけません。

広告の場合はそれぞれ管理を行っているツールがあり、たいていはそのツールを使用してセッション数やコンバージョン率を調べることができます。

Google Analyticsを利用すれば、広告を含め検索エンジンやSNSなどすべての経路からのコンバージョン数とコンバージョン率を確認することができます。

Google Analyticsでこれらの数値を確認するためには事前にWebサイトにおけるコンバージョンがどこなのか、設定しておく必要があります。この設定は、管理ページの「目標」という項目で設定をすることが可能です。

Google Analyticsは、目標で設定された項目をコンバージョンとし、数値の収集と計測を行ってくれます。収集された数値は、サイト全体、流入元別、ランディングページ別に分類され、それぞれでコンバージョン率を確認できます。

Google Analyticsに関する記事はこちらをご覧ください
Google アナリティクスの使い方をマスターしよう! ヒトノート

サイト全体のCVR(コンバージョン率)を確認したい

Analyticsのメニューにある「コンバージョン>目標>概要」へ進むことで、サイト全体でのコンバージョン率が確認できます。

流入元別にCVR(コンバージョン率)を確認したい

サイトへの流入経路はさまざまです。オーガニック検索から、広告から、SNSからなど、様々な媒体からユーザーはサイトへ訪れます。

その流入元別にコンバージョン率を調べたい時は、「集客>すべてのトラフィック>チャネル」で確認ができます。

ランディングページ別にCVR(コンバージョン率)を確認したい

ユーザーがサイトに訪れた最初のページをランディングページと呼びます。

広告用のLPを作成している場合などは、このランディングページのコンバージョン率が気になるところです。

ランディングページ別に調べたい場合は、「行動>サイトコンテンツ>ランディングページ」から確認ができます。

CVR(コンバージョン率)が低い原因と解決策

実際にコンバージョン率を確認して数値が低かった場合、なぜ低いのか?ということを仮説立てし、対策を打っていくことがコンバージョン率改善には有効です。

ここではコンバージョン率が低い原因と、どのように改善をしたら良いのか、いくつか例を上げながらご紹介します。もしも当てはまる項目があるのなら、今すぐサイトを見直してみてはいかがでしょうか。

コンバージョン動線がわかりづらい

コンバージョンボタンの場所が分かりづらいと、ユーザーがどのようにコンバージョンへたどり着けない場合があります。

改善のためには、サイトやページの中にあるコンバージョンボタンの位置を見直す必要があります。例えば、グローバルナビゲーション、サイドカラムやフッターなど、全ページに共通して使用する部分にはコンバージョンボタンを入れておくと、ユーザーはコンバージョンしやすくなります。。

コンバージョンへ誘導するコンテンツが魅力的ではない

コンバージョンに重要な要素はやはりコンテンツです。内容だけでなく、コンテンツの構成やボタン配置などもコンバージョン率に大きく関わってきます。

例えば、コンバージョンするためのフォームを設置したページを用意したとして、そこに画像やイラストが全くなく、テキストだけで構成されていれば、ユーザーは読む気がなくなってしまい離脱をしてしまうかもしれません。ユーザーがより商品に魅力を感じられるように、動画や絵、図解などを使ってわかりやすく伝えることが重要です。

他にも、ユーザーが商品をほしいと感じたタイミングでコンバージョンができるかどうかは、ボタンの位置や見やすさによって決まります。不要な要素は省きつつ、本文の途中でもコンバージョンができるようにするなど、構成やコンバージョンポイントの配置も見直しをしてみるとよいでしょう。

広告のクリエイティブ・ターゲットとLPにギャップがある

広告の中で謳っている内容とLPの内容にギャップがあると、ユーザーは混乱をしてコンバージョンをせずに離脱をしてしまう可能性が高いです。広告の文章やバナーとのLPの内容に相違がないか、確認してみましょう。

また、広告ターゲットとLPで整合性が取れていることも、コンバージョンを上げるための重要な要素となります。

例えば、女性向け脱毛サロンのLPを作成しているのに、男性ユーザーの元にその広告が表示されてしまっては意味がありません。広告とLPのターゲットは必ず同じような設定を意識する必要があります。ユーザーのターゲット像を明確にして、適切な相手へと広告を届けるようにしましょう。

サイトの情報に信頼性がない

たとえ魅力的なコンテンツが設置されていたとしても、サイトの情報やサイト自体に信頼がなければコンバージョンをしたいとは思えません。ユーザーからの信頼を得るためには、運営している企業の情報をサイトに記載することが重要です。運営をしている人やどのような企業なのかを見せることで、ユーザーに安心してもらいましょう。

それだけではなく、実際に利用をした人の声などを掲載することで、他のユーザーも信頼をしているということを示すことができます。口コミやレビューなどを多く記載すると、自分以外のユーザーも利用しているという安心感につながります。

また、時にはネガティブな評価を受けてしまうこともあるかもしれませんが、それを隠すのではなく真摯に受け止めていることを示したほうが、ユーザーからの信頼度はさらに上がる可能性もあります。企業情報や口コミ、レビューなどを取り入れることで、ユーザーの信頼を得られるサイト作りを行いましょう。

コンバージョンまでのハードルが高い

コンバージョン率は、そのコンバージョンがユーザーにとって難しいかどうかによっても変動をします。

例えば、コンバージョンのボタンが「購入」の場合、まだ買うか迷っているユーザーにとってはコンバージョンしづらいといえます。最終的なコンバージョンである「購入」をさせる手段として、例えば「お気に入り追加」などのボタンを設けて、それを押したユーザーに対してお気に入り商品の在庫状況をお知らせするメールを打つなども有効です。

また、「問い合わせ」「サービス申込」なども購入と同様、ややハードルが高いので「資料請求」や「無料トライアル」などのコンバージョンポイントを設けてみると、迷っているユーザーでもコンバージョンがしやすくなるかもしれません。

コンバージョンポイントだけでなく、コンバージョン手前にあるフォーム入力のハードルも下げておくようにしましょう。分かりやすいボタンやリンク、簡単な入力だけでお問い合わせできるフォームにすることで、ユーザーもコンバージョンしやすくなります。ユーザーにとってストレスを減らすことが、コンバージョン率の改善につながります。

デバイス別に画面対応ができていない

現在は多くのユーザーがスマホやタブレットを利用してサイトを閲覧しています。コンバージョン率をアップするためには、スマホやタブレットなど、どんなデバイスからでも見やすいサイトを作る必要があります。

例えば、パソコンで見ると見やすいけれど、スマホから見るとレイアウトが崩れている・ボタンが押しづらいといった状況では、スマホユーザーのコンバージョン率は下がってしまいます。

また、スマホといっても、画面のサイズなどはバラバラです。さまざまな大きさの画面に対応したサイトを作成し、デバイス毎に見やすくなっているか確認しましょう。

特に、入力フォームはパソコンとスマホで操作性が大きく違います。確認をする際は、見やすさと合わせて操作性も確認をしておくことでよりコンバージョン率のアップにつながります。

ターゲット以外の流入が多い

先に述べた広告でもいえることですが、流入してくるユーザーがサイトで狙っているターゲットと大きくずれている場合はコンバージョン率も下がってしまいます。

女性を対象にしたサイトなのにも関わらず、流入してくるのが男性ばかりでは、コンバージョンにたどり付くことなく離脱してしまいます。広告の場合は、狙うターゲットを絞り直して最適化をすることで解決できますが、自然流入の場合はそのようにコントロールすることが難しいと言われています。意図していないキーワードで上位表示されている場合も、コンバージョン率が下がってしまうことがあります。この場合、一時的な話題性や季節性によることもあれば、コンテンツが要因の場合もあります。

一時的なものであれば、自然と流入も落ち着いてコンバージョン率も回復するでしょう。そうではない場合、狙いたいターゲットを今一度明らかにしてコンテンツを書き直したり、追加をしたりすることで、本来狙いたいターゲットユーザーの流入を増やすことができます。

なぜそのキーワードで流入が増えたのか、しっかりと要因を探ることで解決をすべきかどうかの判断をしましょう。

CVR(コンバージョン率)の平均はどれくらい?

コンバージョン率を確認した時に、その数値が高いのか低いのかという目安や平均がなければページの善し悪しも判断がしづらいかもしれません。

しかし、コンバージョン率は検索語句やリンク先のページ等、多くの要素が影響するため一概に平均が決められません。

例えば、サイト名を検索して訪問してきたユーザーと、どんなサイトか意識せずたまたま訪問してきたユーザーでは、目的が違うため検索する語句も異なり、コンバージョン率も変化していきます。

業界別の平均CVR(コンバージョン率)

コンバージョン率は業界や業種によっても平均値が異なります。

こちらも一概に平均や目安は決められませんが、一つの目安として参考になるのはWordStreamが発表したGoogle 広告(旧Googleアドワーズ)の業界別平均コンバージョン率です。

業界 CVR(リスティング広告) CVR(ディスプレイ広告)
 擁護団体 1.96% 1.00%
 自動車 6.03% 1.19%
 B2B 3.04% 0.80%
 消費者サービス 6.64% 0.98%
 マッチング・出会い 9.64% 3.34%
 EC 2.81% 0.59%
 教育 3.39% 0.50%
 雇用サービス 5.13% 1.57%
 ファイナンス&保険 5.10% 1.19%
 健康と医療 3.36% 0.82%
 家庭用品 2.70% 0.43%
 産業サービス 3.37% 0.94%
 法律 6.98% 1.84%
 不動産 2.47% 0.80%
 技術 2.92% 0.86%
 旅行&観光 3.55% 0.51%

引用:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry

このデータはリスティング広告とディスプレイ広告の、業界別平均コンバージョン率です。

並べてみるとディスプレイ広告のコンバージョン率がどれも低いですが、これは表示されるタイミングも関係しています。ディスプレイ広告はアプリやサイトを閲覧している最中に表示されるため、ユーザーが意図しないタイミングで表示されることもあります。

そのため、全体的にディスプレイ広告のコンバージョン率の平均は低くなってしまいます。

業界ごとにCVR(コンバージョン率)の平均が異なる理由

上記の表(リスティング広告)で一番コンバージョン率が高いマッチング・出会いと、一番コンバージョン率が低い擁護団体では、4倍以上も差が出ています。

これは、業界ごとにコンバージョンとしている行動が異なるためです。マッチング・出会いのコンバージョンは「無料登録のボタンクリック」なのかもしれません。一方、擁護団体業界のコンバージョンが「1,000円以上の寄付」だったとしたらどうでしょうか。

またマッチング・出会いの場合は複数のサービスを同時並行で検討する可能性が高いですが、業界によっては1つに絞って検討を進めるものもあります。

そのような影響で、コンバージョンのハードルが高くなり、それによってコンバージョン率が下がっている可能性も考えられます。

CVR改善のポイント

実際にサイト全体のコンバージョン率を改善していく場合、改善する方法はいくつかありますが、大きく分けると二つのアプローチが考えられます。

方法1 入り口のCVR改善(ランディングページの改善)

まず検討したいのが、ページへ訪れるユーザーの目的とそのページのコンテンツは合っているのかという点です。広告を出しているなら設定しているランディングページが、ユーザーをコンバージョンへ促すストーリーになっているのかを見直したり、自然検索からの流入数(ランディング)が多いページについては流入している検索キーワードを分析し、ユーザーが欲しい情報や他ページへのリンクが含まれているのかを見直すと良いでしょう。

方法2 コンバージョンポイント付近のCVR改善

入り口の改善と同じくらい重要なのが、コンバージョンポイント付近の改善です。具体的には、問い合わせなどの入力フォームや、その手前のページです。コンバージョン手前まで来ているユーザーをコンバージョン完了まで誘導するためには、ページの中にあるボタンのデザインや表示位置、ナビゲーションのテキスト、エラー表示のデザイン、など細かなところまで気を配っておくことをおすすめします。

まとめ

Webサイトでより良い結果を生むためにはサイトの改善が必須です。

コンバージョン率を用いることで、コンバージョン数からは見えないサイト改善点を見つけることができます。

コンバージョン率はサイト改善における重要な指標ですが、あくまでも参考数値です。コンバージョン率が下がったからといって、必ずしも悪いわけではありません。新規のユーザーが増えればそれだけコンバージョン率が下がることもありますので、サイトの状況に合わせて判断をすることが重要になります。

Webサイトやサービスの改善のために、指標の一つとしてコンバージョン率を活用してみてはいかがでしょうか。

ヒトノテ坪昌史

監修者:坪昌史

株式会社ヒトノテの代表取締役CEO。 エンジニアとしてキャリアスタートし、サイバーエージェントのSEO分析研究機関を経て、リクルートの横断マーケティング組織のマネージャー&全社SEO技術責任者を務める。その後、独立しSEOを中心としたクライアントの課題解決を行う。2017年、株式会社ヒトノテを創業し、様々な企業のウェブマーケティングの支援を行う。

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